音楽と数学と文様

透き通って硬質な、「仕組み」のある美しさ

「音楽」「数学」「文様」の間には深い関連性があると思っています。なのでそれらについて思うことを書いていく予定のブログ。
数学について、幾何学文様について、結晶構造について、アクセサリー作りその他いろいろものづくりについて、その他いろいろ、など。
とは言っても全然関係無さそうな好きな本のこととか日々のこととかもあれこれ書く予定です。自作アクセサリーの写真なんかもアップしてく予定です。
あと、大学は一応心理学系だったのでそういう話もいろいろ書きたいです。

ボードゲームとトランプから考える数字と記号の抽象性

さて、またまたボードゲームについての記事を書いてみようかと思います。


私が人生で最初に買ったボードゲーム(カードゲームですけど)はこれです。

 

ジャイプル 日本語版

ジャイプル 日本語版

 

 
なんでこのゲームが目に付いたかと言うと、私はジャイプールで作成されたジュエリーを持っているからなのでした。

私の知人に石とジュエリーを販売している方がおります。
その方は、仕入れた石を使ってジャイプールの職人さんにジュエリーを作ってもらっているのでした。
私も2つ程そのジュエリーを持っております。
↓これです

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左がラリマー、右がスギライトです。

 

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ああラリマーちゃんかわいい…

なんでこんな「海そのもの」のような石がこの世に存在するのでしょうか…。

自然不思議すぎ…。

 

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スギライトさんは、すっごく綺麗な紫なのですが、写真だとどうしても黒っぽくなってしまいます。すみません…。

石の写真を撮るのはむつかしいなあと改めて思った次第です。

 

とにかく、そんな訳で「ジャイプール」という街に親近感があったのでこのゲームが目に付きました。

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このゲームの魅力は、何と言ってもカードのイラストが美しいこと!
色好き・カラフル好きな私にはもうこのカードの美しさがたまりません。

 

特に、石好き人間の私にとってはこの辺りのカードがもう…(うっとり)

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トークンも綺麗!可愛い!

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2人対戦専用ゲームです。
商品を仕入れて販売して、それに応じて得点(ルピー)が得られます。
勝った方がマハラジャの専属商人になれるという設定。
割とシンプルなルールですが、駆け引き・戦略が要求されて面白いです。
ホントにボードゲームって頭使う…。

 

ちなみに、ジャイプールっていうのはこんな街。

ジャイプル - Wikipedia

 

ピンク色の建物が多く「ピンク・シティー」と呼ばれるそうなのですが、このゲームのパッケージの絵もちゃんと建物がピンク色になっていて、細かいところまで世界観が統一されていていいなあと思います。
ボードゲーム業界に足を踏み入れて「ボードゲームは世界観が大事!」ということをすごく感じました。世界観がしっかり構築されていると、そのゲームの世界に入り込みやすいのですよね。よりゲームに集中できるというか…。

そういう意味でもこのゲームは素敵です。

 

ジャイプールは宝石の集積地としても有名らしく、いろいろジュエリーブランドもあるそうです。
「アムラパリ」なんて素敵ですね。超好み。

 

そんなこんなで、完全に見た目から入ったゲームですが、やってみたら面白い!
なんか、ようやくボードゲームの面白さがわかってきたような…。
とかく「戦略を考える」ということがすごく大切なのですよねー。すごい頭の体操になります。

 

そしてこのゲームをやってみることによって、ボードゲームによく登場する「トークン」なるものにようやく馴染むことができたような気がしています。
トークンっていうのは、このゲームの場合は既に写真を載せたこれ↓です。

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なんか、ボードゲームにはこういう「カードと似てるんだけど違うパッと見役割がよくわかんないもの」みたいな道具が沢山出てきます。
ゲーム初心者の私は「はて?なにコレ?」とか思っちゃっていた訳なのですが、このゲームをじっくりやってみて、なんか違いがよくわかりました。

 

このゲームの場合は、

・カード:可能性
トークン:成果

みたいな感じです。

ゲームは、まずはカードが配られて、そのカードを交換したり集めたりして、最終的に集めたカードを「売る」ことでこのトークンが得られます。
で、このトークンがルピー(得点)として換算されて、その合計で勝敗が決まります。
カードをたくさん持ってるだけでは最終的には意味が無いのですよね。それをうまいこと売って、得点の高いトークンを集めることによって勝敗が決まる。
だから、カードは「可能性」で、トークンは「成果」。

 

この仕組みがわかって「なるほどー!うまくできた仕組みだなー」と思いました。
そしてようやく、ボードゲームにこういう細々としたあれやこれやが入っているのかが納得できた感じです。

(ここで言っている「可能性」「成果」はあくまでもこのゲームの場合の話です。ゲームによってカードやトークンの意味は異なりますのでその点ご了承ください。ただ、こういう「モノの役割」が論理的かつバランスが良いゲームが「いいゲーム」という評価を受けやすいのかなという気がします)

 

で、そんな風に「トークンの役割」に納得したとき、フーっと頭に子供の頃にやったトランプゲームのあれこれが浮かんできました。

そして、「そうか!トランプゲームっていうのはこの<可能性>も<成果>もカードだけで全部表してたんだ!」と気がつきました。

 

「可能性」も「成果」も同じカードだけで表現できちゃう。
改めて「トランプっていうのはすごいツールなのだ」と思ってしまいました。

 

そして、その「トランプの凄さ」、こんなにシンプルなツールでいろいろ表現ができちゃうのはなんでなんだろう…、ということを考えて、それは「トランプで使われている数字も記号も抽象性が高いものだからなんだ」ということに思い至りました。

 

多分、このジャイプールのルールって、トランプである程度再現可能だと思います。
(いずれそれを考えて記事にしようかと思います)
そして、それは多分トランプの構造ゆえ。「数字と記号という抽象度の高いものだけを使用して作られたツール」だから。

ここまで考えて「うわー!やっぱり私のブログのテーマに近い話題!」と思いました。

「数字」と「記号」

「音楽と数学と文様」に近い領域の話ですよー。きゃあこういう話題すきー。

 

えーと、例えば、ジャイプールのカードの商品をトランプの記号で表現するとしたら、

・ダイヤ=宝石
・スペード=金・銀(金属)
・ハート=布・革
・クローバー=スパイス

あたりで何となくそれっぽい感じがしそうではないですか。
そして、多分他のいろいろなゲームでもこういう置き換えはできる。

トランプのあの記号が、いかに「抽象度が高いものであるか」ということが、この辺りを想像してみることによって納得できる気がします。

 

トランプって、すごい優秀ツールなんですね。

子供の頃はそんなこと全く意識せずに遊んでいましたが、改めて「長い歴史を持つツール」ってすごいものなのだなー、あなどれないなーということを感じました。

 

…こういうことをつらつらと考えてみることがとても好きな私です

でも、こういうことを考えることは「数とは何か」「文様とは何か」「なぜ人間は文様を愛するのか」ということに繋がっていって、それはぜーんぶ私のものづくりにプラスになる。のです。

 

なんか、ボードゲームって改めて「いろいろなことを考えるきっかけをくれる素材だ」という気がしました。
なんて言うか「カバー領域が広い」ツールだという気がします。
数学的なアプローチもできるし、心理学的・文化人類学的なアプローチもできる。

きゃあすごい!

 

これからも、「ボードゲーム」というツールに対していろいろなアプローチで考察を重ねてみたいなあと思う夏の午後なのでありました。

頭使いますけどねー。
ふう。