ネクタイに見る「形の美の理論」-形の美と数学-
すみません、ものづくりに取り組んでおりまして、ブログ更新が減っております…。すみません…。
ものづくりに集中しちゃうとブログ更新が減ってしまうのでした。
今回は、ネクタイなど編みました。
すっかり秋な感じの気候になり、編み物シーズン到来!な感じなのですよね。
さて、今回のネクタイ編みで自分に課したチャレンジは以下のようなものです。
・大剣(できれば小剣も)を作る
・交差編みなどを入れてアクセントをつける
・小剣通しを作る(そしてそこにタグをつける)
過去にもネクタイを編んだことはあるのですが、上記をやっていなかったのですよねー。
フラットな編地で、先の方もまっすぐで、小剣通しもなかったのです。
なので今回はそういう課題を自分に課してあれこれ試行錯誤しているのですが、いやーこれが大変で…。
しょっちゅう頭ヘロヘロになりました。
(自分でデザイン・編み方から考えるとなるとものすごーく頭を使うのです。編み物というのは。そしてその時の頭の使い方が数学を考えるときの頭の使い方と似ている気がする…、っていうのが私の持論でこのブログのテーマでもある訳です)
編み途中の時はこんな感じでした。
(コンビニに売ってたネクタイと並べています。今回は「本に載ってるネクタイの編み方」から作るのではなく、自分で設計して作ったので、市販のネクタイを参考にしたのでした。まあ交差編みの部分は編み図集を参考にしたりしてますが、全体の設計は自分でやりましたです。はい。)
一応大剣っぽいものを作ってみた…、つもりです…。
もーこの部分考えるだけで頭ヘロヘロでした(この辺も編み図集を参考にしましたけれども)
最初に斜めにした編地をまっすぐに持っていくところのバランスとかがなかなか大変でした…。
そしてアクセント的に交差編みなど入れてみました。
試行錯誤の品々はこんなの。
いつもこういう試行錯誤の切れ端をたくさん作るんですよー。
アクセサリー作りとかもこうなんですよー、いつもすごい大変なんですよー。
1つの作品を完成させるまでにすごい試行錯誤があるんですよー。
(なんか、とても簡単に作っているかのように思われることが割と多いのでここで苦労アピールです)
試行錯誤ではありましたが、一応大剣っぽくなってきたので、ここから更に編み進めて、一応完成しました。
(完成後すぐに彼氏さんの手に渡ったので完成品の写真がないんですが…、すみません)
今回大剣作成にトライしてみて感じたのは「この形はとっても収まりのいい、バランスの良い形なのねー」ということでした。
最初は、実際のネクタイの大剣をあまりあてにしないでとにかく三角形っぽく作ってみたのです。
(試行錯誤の切れ端写真の左下)
でもその形だと何とも収まりが悪い。
何て言うか、無駄に尖り過ぎ。落ち着きがない。バランスよくない。もっとバッサリ言うと、なんかバカっぽい。安っぽい。ちんちくりん、みたいな。
「これじゃあ駄目だ。もっとちゃんとこのネクタイの先の角度に近づけないと。勝手な角度じゃ駄目なんだ」と気が付きました。
そしてネクタイの先の三角をじーっと観察してみて…、
「あれ、この三角形ってたくさん見たことある気がする。なんかすごいポピュラーな、有名な三角形なのではないか。なんか三角定規にこういう三角形があったような…」と思いました。
そこで、三角定規登場。
ネクタイに当ててみると…、
やっぱりこの角度だ。この三角形だ。
この三角形はいわゆる「直角二等辺三角形」ってやつですね。なんか昔習いましたよ。
角度が「90度・45度・45度」で、辺の比率が「1:1:√2」になる三角形。
三角形の内角の和は180度。
そして、ピタゴラスの定理。
そういうものとともになんかこの三角形のことを習った気がする…。
きっとこの三角形って驚くような美しい、安定したバランスの三角形なのでしょうね。
角度も、辺の長さの比率も美しい。
たぶん、世の中のネクタイの大剣・小剣って基本この直角二等辺三角形なのでしょうね。片っ端から調べたわけではないですけど。
ウィキペディア先生によると、直角二等辺三角形の定義は「直角二等辺三角形は、二等辺三角形の持つ特徴に加え、直角三角形の持つ特徴を併せ持つ図形である。3つの角のうち2つの角がそれぞれ45°である三角形と定義してもよい。」だそうです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B4%E8%A7%92%E4%BA%8C%E7%AD%89%E8%BE%BA%E4%B8%89%E8%A7%92%E5%BD%A2
なんか、小学生の頃この三角形を習って、なんかすごい感激したような記憶があります。
直角っていうのがそもそも綺麗だし、「二等辺」もバランスいいし、「90度・45度・45度」っていう並びもなんかいい。
そういうことに感激したのかなーと思います。
あの頃はその感激をうまく言語化したり、考察したりはできなかったけれど、今こんなブログを書く萌芽がもうそこにはある気がする…。
ピタゴラスの定理は中学校で習ったのだったかしら…。
そしてその時再び直角二等辺三角形が登場し、辺の長さの比が「1:1:√2」になる「素敵美し」な三角形だということを改めて認識したような…。
いろんな意味で「三角形という形の特徴」のようなものを目の当たりにしやすい形、なのかな。
この直角二等辺三角形というものは。
直角二等辺三角形は、つまり正方形を対角線で切ったものですよね。
正方形の角と同じ形だから、なんとなく収まりが良い、という印象があるのかな。
「安定感がある」「バランスが良い」「落ち着く」みたいな印象。
ネクタイの大剣・小剣がこの形になるというのは、ネクタイの縫い方上それが合理的…、ということなのかな。
ネクタイを縫う時の裁断をよく知らないのですが(すみません、編んだことはありますが縫ったことないので)、布を何かいろいろ切って折って縫うわけですよね。
その「折る」ときにこの直角二等辺三角形が一番折りやすい、とか…。
んー、それとも違うかな。
ネクタイの起源とかをよく知らないのですが、ひょっとすると、元々は正方形の布を細く折って、それを首に結ぶものだったとか。
その時に大剣のところは当然正方形の角を利用することになる訳で、だから「正方形を対角線から切った形」である直角二等辺三角形になる。
で、その形が美しかったので、細長い布になってもその形を踏襲してるとか。
…どうだろう…。
すみません、ネクタイの起源とかちゃんと調べたことがないので推測です。いつか調べてみたいです。
(調べられるかな…)
そしてそして、この「1:√2」というのはいわゆる「白銀比」ですね。
白銀比ってご存知ですか?
あのA4とかB5とかのオフィスで使用される紙の縦横の比率がこの白銀比なんです。
もう大部分の人が日々この比率を見て、使用しているという…。
https://www.mdn.co.jp/di/articles/454/?page=3
「美しい比率」というと、黄金比が有名ですが、なんか日本では古来からの白銀比の方が多用されているらしいです。
http://president.jp/articles/-/21775
個人的にも、黄金比よりも何か白銀比の方が、収まりがいいと言うか落ち着くというか、そんな印象があります。
ま、A4とかB5とかに慣れきっているからなのかも知れませんが…。
ネクタイの大剣・小剣が直角二等辺三角形になっているのも、この「白銀比」的な収まりの良さが理由の1つだったりするのかなあ…、なんて考えてしまいます。
ちなみにこの白銀比には驚くべき?法則が…。
上記サイトにもありますが、この白銀比の長方形を半分に分けても、縦横比率が変わらないのです!
確かにそうですよね。A3用紙を半分にしたサイズがA4で、それを半分にしたサイズがA5で…、って続いて、それらは「大きさは異なるけれど形が変わらない」つまり縦横比が同じということ。
この驚くべき性質故に、白銀比はオフィス用紙で採用されているらしいです。
なんか、よく考えたらびっくりですよねー。不思議な数、√2!
ちなみに、「√2」という数字は私がはじめて「無理数」なるものを実感した数です。
その件についてはこの記事に。
music-mathematics-pattern.hatenablog.jp
…、えーとなんか、ネクタイを編みながら浮かんできた「数学っぽい話」をいろいろ書いてみましたが…。
とにかく「ネクタイという見慣れたものだって、よーく観察すると数学的な法則美に満ち溢れているのだ!」と思ったので、思いついたことを書いた次第です。
ネクタイの先に隠された白銀比よ…。驚くべき数「√2」よ…。(ウットリ)
こんなことをつらつらと考えてしまう人間なので「音楽と数学と文様」というテーマでブログ書いてる訳です。
それにしても本当に、「形の美と数学」というのは興味深いテーマだわー。
そういうテーマが大大大好きな私は、やっぱりビーズアクセサリーや編み物や刺繍に向いていて、今やってる仕事(BI・データを可視化するシステムを作るエンジニアでで若干数学が関係する)も向いているのだなーと思います。ハイ。
これからもこのテーマを探求し続けるのだー!!!イエーイ!
<追記>
白銀比の長方形の比率が変わらないことの証明は、手持ちの本に載ってたと思うので、いずれ復習してまた書こうかと思います…。すみません…。